ビジネスホンを使う上で必要な「主装置」とは、具体的にどのような役割を持つ機器なのでしょうか?また、主装置の新規導入や買い替えを検討する際には、どのような点を重視すべきなのでしょうか?
本記事では、ビジネスホンにおける主装置の仕組みや種類、費用相場や導入費用に関する注意点、選定時のポイントなどについて、具体的にわかりやすく解説していきます。
ビジネスホンの主装置とは
主装置の基本的な仕組みと種類、耐用年数について説明します。
主装置の基本的な仕組み
主装置は、ビジネスホンを使用する際に必要な装置です。主装置が外線と内線を制御し各電話機に振り分けることで、複数の受発信を管理します。
主装置の中に組み込まれた「ユニット」と呼ばれる基盤によって、内線と外線の設定や、機能のカスタマイズを行います。
近年、主装置に搭載する機能は、指定した端末への転送制御や通話内容の保存など、多様化と高機能化を遂げています。
主装置の3つの種類
主装置は、「小規模向け」「中規模向け」「大規模向け」によって、接続できる電話機の台数や収容できる回線数が異なります。
たとえば、NTTが提供する主装置の場合、以下のように台数や回線数が区分されています。
主装置の種類 | 接続可能な電話機の台数 | 最大チャンネル数 (収容可能な回線数) |
小規模向け | 10台 | 8ch |
中規模向け | 40台 | 12ch |
大規模向け | 576台 | 192ch |
参照:NTT東日本|SmartNetcommunity αZX type S,M,L
主装置の耐用年数
新品で購入した主装置の法定耐用年数は、6年に定められています。
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 |
事務機器、通信機器 | 電話設備その他の通信機器 デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備 | 6年 |
ただし、法定耐用年数は税務上の資産価値を示す年数なので、6年を過ぎても問題なく使用できるケースもあります。故障や不具合などを起こさずに長期間使うためには、適切なメンテナンスを行うことが重要です。
ビジネスホン(主装置)の新規導入や買い替えについて検討する際は、最低6年は使用することを念頭に置き、スマホやパソコンとの連携など、業務に必要な機能を確認した上で、最適なものを選定しましょう。
なお、法定耐用年数は新品購入時のみに定められており、中古の主装置には適用されません。古い主装置ほど故障のリスクが高くなり、部品の供給が終了して修理できないケースも生じます。中古品を購入する際には、年式等をしっかりと確認しましょう。
主装置の費用相場
主装置の費用相場と、購入時に注意すべき費用の重要点を説明します。
費用相場
主装置の費用は、下記の金額が相場・目安です。
主装置の種類 | 費用相場 | |
新品 | 小規模向け | 約20万円~ |
中規模向け | 約25万円~ | |
大規模向け | 約30万円~ | |
中古品 | 約数千円~ |
主装置購入費用の4つの注意点
主装置の購入費用を検討する際に注意すべきポイントは、以下の4つが挙げられます。
主装置購入費用にかかる注意点 | 詳細 |
工事費用 | ・「主装置+電話機」で構成される基本的なビジネスホンを導入する場合、必ず発生する ・電話機1台あたり約数千円程度の工事費が必要 |
中古品購入 | ・中古品を購入する場合に発生 ・経年劣化による不具合が起きて、不要なコストがかかる可能性がある ・信頼できる中古ビジネスホンの販売店に相談することで、低コストで購入が可能 |
リース契約 | ・初期費用を抑えたい場合に効果的 ・月々のリース料金によるランニングコストが発生する ・基本的にはリース期間満了時に主装置を返却する契約だが、再リースで継続して利用することも可能 |
電話機との互換性 | ・電話機はそのまま利用し、主装置のみ交換する際に注意が必要 ・新たに交換する主装置と、利用中の電話機との互換性を確認する必要がある |
上記のポイントを念頭に置いて検討すれば、不必要なコストを削減できる可能性があります。
主装置の選定を成功させる重要ポイント3点
ビジネスホンの主装置を選定する上で重要となる、3つのポイントを解説します。
1.接続する電話機の台数
ビジネスホンの主装置は、種類によって接続できる電話機の台数が異なります。選定にあたり、まず必要な電話機の台数を確認しましょう。
主装置を設置後、電話機を追加する場合は、再度設置工事の費用が発生します。また主装置の種類によって、希望する台数を追加できない場合もあります。オフィスの将来規模も考慮した上で、主装置を選ぶことをおすすめします。
2.収容する回線数
主装置の種類によって、収容できる回線数も異なります。
収容できる回線数が多いほど、主装置の価格は高くなります。予算と必要な回線数のバランスを考え、最適な主装置を選定しましょう。
3.必要な機能とカスタマイズ
選定の際には、業務に必要な機能も確認しましょう。
主装置に搭載されている主な機能は、以下のものが挙げられます。
保留機能
一時的に通話を保留し、お待たせのメロディを流す機能です。
転送機能
代表番号や受付にかかってきた電話を、担当者に転送する機能です。
モニター機能
通話内容を別の電話機でモニタリングできる機能です。新入社員の電話対応や、クレーム対応の確認に利用できます。
短縮機能
頻繁に電話する取引先等の電話番号を登録して、2桁から3桁の番号で発信できる機能です。
着信代理応答機能
他の電話機に替わり、応答する機能です。着信代理応答機能は、主に以下の種類に分けられます。
• 内線応答番号指定代理応答 • 自グループ内線代理応答 • グループ指定内線代理応答 |
IVR機能
着信した通話に、用件ごとの内線番号の音声ガイダンスを流し、担当部門に誘導する機能です。
会議通話機能
ひとつの通話に複数人数が参加できる機能です。この機能を使って音声会議を開くことができます。
スマホ連携機能
スマホを主装置に連携し、内線で利用する機能です。外出中やテレワークでも、会社にかかってきた電話をスマホで受けることができます。ビジネスホンの活用の幅を飛躍的に拡大できる、便利な機能です。
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主装置の設置に必要な3つの工事
主装置の設置に必要な工事は、3つに分けられます。それぞれの工事の内容と注意点を解説します。
1.回線工事
電話機を設置する前に、電話回線を引き込む工事が必要です。新規オフィスや移転、電話回線を増やす際に必要になります。
2.電話機設置工事
回線工事の後、以下の3つの電話機設置工事を行います。
主な工事 | 工事の内容 |
交換機工事 | 引き込んだ電話回線を主装置に収容する工事 |
電話配線工事 | 主装置と電話機をつなぐ配線を敷設する工事 |
電話機設置工事 | 電話機を配線に接続し、設定を行う工事 |
3.主装置設定
主装置にユニットを組み込み、電話機の機能を設定する作業です。ビジネスホンの各種機能は、主装置にユニットを組み込むことで実現します。
主装置に組み込まれる代表的なユニットと役割は、以下の通りです。
ユニット名 | 主な役割 |
電源ユニット | 主装置に電力を供給する |
外線ユニット | 外線の受発信を管理する |
内線ユニット | 内線の管理・接続を行う |
単体電話機ユニット | 複合機(FAX)や受付用の電話機と接続する |
拡張ユニット | 機能の追加やカスタマイズを行う |
まとめ)ニーズや条件に適したビジネスホンの主装置を選定しましょう
本記事では、ビジネスホンの主装置の仕組みや種類から費用相場、選定時の重要点、設置工事の内容まで、主装置の導入や買い替えの検討に役立つ情報を取り上げました。業務に最適な主装置を選定する際の参考にしてください。
最適な主装置選びについて疑問や課題が生じた際には、スマホを活用して利便性を向上させる「どこでもホン」を、ぜひご検討ください。アドバイザーによる無料相談も実施していますので、お悩みがある方は一度公式サイトよりご相談ください。