多すぎる電話対応を減らすには?電話業務効率化の施策6選

会社における電話対応には、取り次ぎや折り返しの依頼など、「伝言」する業務が伴います。

この伝言業務そのものは、通話の本題である商談や顧客とのコミュニケーションに比べると、直接的な生産性はありません。

電話対応が多すぎる場合は、この「伝言」業務を減らすことを目指すとよいといわれています。

今回は、多すぎる電話対応を減らす方法について解説します。電話業務を効率化する施策もパターン別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  

1)多すぎる電話対応を、そのままにしておくことのデメリット・リスク

電話対応が多すぎる、と感じる状態を放置していることで生じるデメリットやリスクとして、次の4点が挙げられます。

  

  

業務効率の低下 

多すぎる電話対応は、業務効率を低下させる原因となります。

頻繁に電話対応をしていると業務の時間を取られるだけでなく、入電のたびに業務を中断することになり、集中力が途切れがちになります。

電話対応が終わった後に「何の仕事をどこまで進めていたのか?」、思い出すまでに時間を要した事もあるでしょう。

  

受電漏れによる機会損失

電話対応が増えすぎると、「電話を受けられない」ことが起こります。

  • 対応人員の不足
  • 電話回線の不足

こうした状況になると、鳴っている電話に出られない、または話し中で電話がつながらないことが起こります。

対応できなかった電話の中には、売上に繋がる連絡や、大口顧客からの連絡が含まれている可能性もあり、機会や信用の損失につながる事もあります。

  

顧客満足度の低下

電話対応により、顧客満足度が低下する場合があります。

  • 電話をかけてもなかなか電話が繋がらない
  • 電話が繋がっても取り次ぎまでの待ち時間が長い
  • 折り返しを依頼しても、折り返されるまで時間がかかる
  • 伝言を依頼しても、正確に伝わらない

電話をかけてきた相手からは社内の様子が見えません。

「なぜすぐに電話に出ないのだろう?」「一体いつまで待たせるのか?」といった不信感により、顧客満足度が低下します。

  

従業員のストレス増加

過剰な量の電話対応は、従業員のストレス増加に繋がる原因にもなります。

とくにテレワークを導入している企業の場合は、オフィスに出社した社員にのみ、電話業務が集中することがあります。

このようなケースは、社員の間に不公平感が生じ、テレワーク推進の障壁となることもあります。

  

2)伝言に時間がかかっている場合の対策3点

多すぎる電話対応を減らすために、まず着手するのは「伝言」を減らすことです。

伝言を減らすための方法として、次の3点が挙げられます。

  

クラウドPBX・スマホ内線PBXの導入

テレワークや外回りの社員に、かかってきた電話の内容の伝言や、折り返しを依頼することが多い場合は、クラウドPBXやスマホ内線PBXの導入が効果的です。

自宅や外出先でも、会社の電話番号を使った外線の発着信や、内線通話が可能になれば、「伝言」や「折り返し」を大幅に削減することができます。

スマホやPCを使って、自宅や外出先でも会社の電話番号で発着信を可能とする方法として、「クラウドPBX」や「スマホ内線PBX」の導入が挙げられます。

それぞれの違いは以下の通りです。

  

クラウドPBXスマホ内線PBX
概要クラウドサービスを介してSIP電話機・スマホ・ソフトフォンでの通話を実現。オンプレ型電話設備で、SIP電話機・スマホでの通話を実現。
メリット・チャットやWEB会議などのWEBツールと連携できる
・ユーザー数が増えたときに柔軟に対応しやすい
・これまでの電話番号をそのまま利用できる
・FAX・ドアホン・受付電話機などとの連動が可能
デメリット・市外局番(03・06等)の電話番号を取得する際は、別途の環境構築が必要
・FAX・ドアホン・受付電話機などの外部機器との連動はほぼ不可能
・WEBツールとの連携は不可、原則電話機能のみ
導入費用の目安【初期費用】
電話機本体(1台につき):2万円~3万円 ※
初期設定費:0円~10万円  

【月額費用】
基本利用料:3,000円~+1アカウント(ユーザー)につき500~1,000円
通話チャネル(同時通話数):1チャネルあたり0円~1,000円
電話番号数:1番号あたり0円~1,500円
【初期費用】
電話機本体(1台につき):2万円~3万円 ※
主装置:5万円~10万円 ※
工事費:10万円前後  

【月額費用】
利用基本料:5,000円~2万円

※:導入費用の目安は、新品の電話機または主装置を想定しています。

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スマホを会社電話として自宅や外出先でも使用するには?知っておきたいスマホ内線PBX

【PR】スマホ内線PBXで、社外にいる社員に会社電話を使ってもらえれば、伝言業務を削減できる

チャットやビデオ会議が普及する今でも、電話は連絡の重要な手段の一つです。電話による連絡を効率化するためには、「顧客と担当者を直接つなげる電話システムを導入」する方法があります。

スマホを使って自宅や外出先でも、会社の電話番号で発着信ができ、内線通話もできる機能があれば、「伝言」や「折り返し」業務を大幅に削減でき、顧客満足度の向上に繋がります。

  

スマホ内線PBXのサービスをより詳しく知りたい場合は、下記サイトをご参考ください。

  

チャットツールの導入

日常的にやり取りが発生する取引先とは、ChatworkやSlack等、チャットツールを使った連絡に切り替える事でも、電話対応を削減できます。

チャットであれば、相手のタイミングに気を遣わず発信できるだけでなく、グループチャットを活用すれば複数名とコミュニケーションを取る事も可能です。

双方が時間を合わせてリアルタイムで通話しなければならない、電話のデメリットをカバーできる方法といえます。

ただし、あらゆる連絡をチャットツールに置き換えるのは現実的ではありません。

ルーティンの連絡はチャットツールで行い、重要な話し合いの場合は電話やWebミーティングを活用するなど、目的に応じた使い分けが大切です。

  

導入費用の例

サービス名費用
Chatworkビジネス:1ユーザー月額500円
エンタープライズ:1ユーザー月額800円
Slackプロ:1ユーザー月額925円
ビジネスプラス:1ユーザー月額1,600円

  

問い合わせ管理システムの導入

問い合わせ管理システムを活用することで、「伝言」や「折り返し」を減らす方法もあります。

問い合わせ管理システムとは、問い合わせ内容・返信履歴・進捗等の情報を複数人で共有・管理するためのシステムです。お客様対応業務を効率化し、迅速・的確に行うことができます。

お客様の問い合わせの手段は、電話だけとは限りません。HPの問い合わせフォームやメール、LINEやFacebook等のSNS経由で問い合わせを受けることもあり得ます。

問い合わせ管理システムは、こうした問い合わせの手段に合ったものを選ぶとよいでしょう。導入にかかる費用例は、以下の通りです。

  

導入費用の例

サービス名費用
Yaritori ライトプラン:1ユーザー月額1,980円
スタンダードプラン:1ユーザー月額3,980円
ビジネスプラン:1ユーザー月額6,980円
エンタープライズプラン:1ユーザー月額9,980円
FormrunFREEプラン:0円
BEGINNERプラン:2ユーザーまで月額3,880円
STARTERプラン:5ユーザーまで月額12,980円
PROFESSIONALプラン:10ユーザーまで月額25,800円
WaWaD-Be 月額:2,500円+1ID300円
Freshdesk Freeプラン:0円
Growthプラン:1ユーザー月額$15~
Proプラン:1ユーザー月額$49~
Enterpriseプラン:1ユーザー月額$79~
Shelter ユーザー数無制限月額:15,000円

  

3)入電数が多く、電話対応時間が膨大になっている場合の対策3点

電話対応に費やす時間が膨れあがっている場合は、そもそもの入電数を減らすための対策を講じる必要があるでしょう。

入電数を削減する工夫として、次の3点が挙げられます。

  

FAQの設置

問い合わせ件数を減らすには、FAQの設置が有効です。お客様が疑問点や不明点を自己解決できる仕組みを提供することにより、入電数を減らすことができます。

FAQの例では、企業のHPに「よくある質問」を設ける手法が知られています。

ただし、FAQで質問内容を検索した結果、有益な回答を得られなければ入電数の削減には繋がりません。

FAQを設置する際は、頻繁に発生する問い合わせの種類を把握することが非常に重要です。

FAQは100%手作業で作成することも可能ですが、近年では作成をサポートするFAQシステムも登場しています。

ユーザーの質問意図を予測して回答を表示する仕組みを備えたものや、AIを駆使することにより抽象的な質問に対応できるものも登場しています。

入電数を減らす仕組みとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

  

導入費用の例

サービス名費用
Zendesk Teamプラン:1ユーザー月額$19
Grouthプラン:1ユーザー月額$49
Professionalプラン:1ユーザー月額$99
sAI Search 初期費用:要問い合わせ
月額費用:要問い合わせ
アルファスコープ オペレーター向けFAQプラン:初期費用:40万円〜 月額費用:8万円〜
ユーザー向けFAQプラン:初期費用:40万円~ 月額費用:10万円~
ユーザー向けFAQ+チャットボットプラン:初期費用:60万円~ 月額費用:13万円~

  

チャットボットツールの導入

電話窓口を設けずに、メールやWebフォームで問い合わせを受け付けている企業もあります。こうしたケースで「返信を待つことなくすぐに回答が欲しい」要望に応えるには、チャットボットツールの導入がおすすめです。

チャットボットとは、問い合わせに対して会話形式の回答を自動で返すプログラムを指します。

Webサービスで、「何かお困りですか?」と質問を受け付けている入力フォームを見たことがある方も多いでしょう。

チャットボットでは、入力した質問の内容に合った回答を、その場で自動に返信を行います。

人的な対応ではないにも関わらず、その場で回答を得られるため、お客様のストレスを抑えることができます。また企業側では、お客様対応に備えるスタッフを最小限に絞ることができます。

電話窓口を設けず、かつリアルタイムに問い合わせに対応する仕組みとして、チャットボットツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

  

導入費用の例

サービス名費用
RICHO Chatbot Service初期費用:5,000円
STARTERプラン 月額費用:18,000円
STANDARDプラン 月額費用:50,000円
ENTERPRISEプラン 月額費用:個別見積
Sincloコスト重視プラン 月額費用:9,440円〜
成果重視プラン 月額費用:29,440円~
さっとFAQ エントリープラン 月額費用:10,000円
ベーシックプラン 月額費用:30,000円
アドバンスプラン 月額費用:50,000円

  

IVR(電話自動応答システム)の導入

電話業務の負荷を軽減し、人件費を削減することが目的であれば、IVR(電話自動応答システム)を取り入れるのも1つの方法です。

IVRとは、顧客からの問い合わせの電話に自動で応答する仕組みを指します。

「音声案内に従って、ご希望の番号を押してください」といった、音声ガイダンスを聞いた事がありませんか?

問い合わせの内容に応じて電話を自動で振り分けられるため、混雑時や営業時間外でも「伝言」や「取次」、「折り返し」を必要としない、効率的な電話対応が可能になります。

なお、IVRには大きく分けてオンプレ型とクラウド型の2通りがあります。

一般的にオンプレ型は初期費用が高額になります。初期費用をできるだけ抑えたい場合は、クラウド型を選択するとよいでしょう。

  

導入費用の例

サービス名費用
TAKACOM IVR2430Ⅱ (オンプレ型) 6回線(初実装):550,000円
12回線:720,000円
18回線:890,000円
24回線:1,060,000円
※消費税・工事費は別途
IVRy (クラウド型)3,500円/月+通話代
自動受付IVR (クラウド型) 初期費用:300,000円〜
月額費用:150,000円〜
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まとめ)電話業務の効率化は「仕組み」の改善から

従業員が電話対応に追われている状況を放置する事は、機会損失や顧客満足度の低下、従業員のストレス増加など、複数のリスクを伴います。

今回の記事を参考に、電話業務を効率化することによって、コア業務に集中できる体制を築いてゆきましょう。