おすすめクラウド会計ソフト3選|特徴・機能・料金比較と選び方

テレワークの普及など、働き方の多様化に伴い、会計業務も見直しの機会が増えています。今回は、会計処理の業務効率化に役立つクラウド会計ソフトを紹介します。

選び方のポイントと、おすすめのサービスを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  

1)クラウド会計ソフトを選ぶ際のポイント3点

クラウド会計ソフトを選ぶにあたって、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

  

実績と信頼性のあるサービスから選ぶ

クラウド会計ソフトを選ぶ際、重視するポイントに「実績と信頼性」が挙げられます。

クラウド会計ソフトは次々と新たなものがリリースされる一方、廃盤となるものも少なくありません。

下図は、2017年にMM総研が調査した、法人クラウド会計ソフトの導入シェアを表しています。

4位のネットde会計と、6位のバイブリッド会計Crewは、2023年1月時点でサービスを終了しています。

  

参照元:MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2022年4月末)

  

利用中のクラウド会計ソフトがサービス終了という事態になれば、社内の混乱は避けられません。

長く利用できるクラウド会計ソフトを選ぶために、サービスとメーカーの「実績と信頼性」をしっかり確認しておきましょう。

  

実績と信頼性」でおすすめのサービスはfreee会計、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンライン

「実績と信頼性」では、「freee会計」「マネーフォワードクラウド会計」「弥生会計オンライン」の3つが、有力なクラウド会計ソフトです。

それぞれの主な特徴は、下表の通りです。

  

名称特徴
freee会計・簿記・会計の知識のない人でも使いやすい
・Slackをはじめ業務ツールとの連携機能が充実
・基本機能で、見積書・納品書・請求書の作成ができる
マネーフォワードクラウド会計・連携できる金融機関とサービスが非常に多い
・請求業務/経費管理/給与/勤怠管理/社会保険手続き/マイナンバー管理などバックオフィス機能が充実
弥生会計オンライン・会計事務所に豊富な納入実績。一般ユーザーと会計事務所の連携が容易。
・充実したサポート体制
・長期の無料トライアル期間(最大2年間 ※2023年1月時点)

また3つとも、操作をサポートする充実したメディアコンテンツを用意しています。

クラウド会計ソフトを選ぶ際は、この3つから検討を始めるとよいでしょう。

  

基本プランと拡張プラン

クラウド会計ソフトでは、一般的に基本プラン上位プランが用意されています。

基本プランは低価格ですが、機能に制限がかけられています。

上位プランは、基本プランよりも高次な機能を提供しています。

  

基本プランと上位プランの機能の比較

基本プランと上位プランでは、おおよそ次のような機能の違いがあります。

  

基本プランに含まれる機能上位プランで追加される機能
・帳簿入力
・仕分作業
・支払管理
・決算書作成
・法人税の申告
・経営分析
・予実管理
・消費税申告書の作成
・経費精算
・社会保険手続き
・給与計算
・勤怠管理
・取引先管理
・販売管理
・ワークフロー
・見積/納品/請求書作成
・POSレジ連携 …等

  

無料トライアルを活用する

クラウド会計ソフトには、基本プランに無料トライアルを設けているものもあります。

導入にあたっては、この無料トライアルを活用しましょう。

無料トライアルでチェックする項目は、次の通りです。

  

無料トライアルでチェックする項目

  • 利用中の金融機関と連携ができるか
  • 使い勝手はどうか(PC・スマホ両方で確認)
  • サポート体制はどうか

クラウド会計ソフトごとに、連携可能な金融機関は異なります。いま利用している金融機関と連携が可能か、予め確認しましょう。

またテレワークでは、社員の経費精算等でスマホを用いる場面も想定されます。

使い勝手は、PCだけではなく、スマホでもチェックしましょう。

  

2)おすすめのクラウド会計ソフト3選

クラウド会計ソフトのうち、とくにシェアの高い3サービスの特徴・料金・プランをまとめました。

  

簿記・会計の知識が不安な人は「freee会計」(freee株式会社)

freee会計は、簿記や会計に不慣れでも使いやすいクラウド会計ソフトです。

モダンなUI、他の業務ツールとの連携機能、自動仕訳等、使い易さが多くの企業に支持されています。

AmazonをはじめとするECサービスとの連携では、利用明細を自動で取り込む事もできます。

見積書・納品書・請求書をfreee会計で作成して、仕訳を自動で処理する事も可能です。

経理部門が手薄な企業や、会計処理に割く時間と労力が少ない企業におすすめです。

  

freee会計の料金プラン

プランミニマムベーシックプロフェッショナル
料金1,980円/月3,980円/月39,800円/月
無料トライアル期間1ヶ月1ヶ月1ヶ月
機能・明細自動記帳
・OCR機能
・見積/納品/請求書の作成
・ユーザー追加(3名まで)
・帳簿作成
(総勘定元帳、仕訳帳、固定資産台帳、決算書、消費税申告書)
・試算表出力
・月次推移表出力
・資金繰りレポート
・チャット
・メールサポート
(ミニマムに加えて)
・ユーザー追加(4名以上も対応)
・経費精算
・収益・費用レポート
・集計表 ・電話サポート
(ベーシックに加えて)
・ワークフロー
・予実管理

「ミニマム」は主に記帳の効率化と決算書作成に焦点を当てたプランです。

「ベーシック」は経費精算や収益・費用レポートも搭載しており、容易にキャッシュフローの管理もできる仕組みになっています。

チャットとメールによるサポートに加え、「ベーシック」以上では電話窓口も設けており、安心して利用する事ができます。

最小限に記帳と決算処理のみを行う場合は「ミニマム」、会計の可視化やサポートを重視する場合は「ベーシック」以上をおすすめします。

  

バックオフィス業務全般もカバーしたい人は「マネーフォワードクラウド会計」(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワードクラウド会計は、連携可能な金融機関とサービスが充実しているクラウド会計ソフトです。

全てのプランで会計だけでなく、請求業務や経費管理、給与・勤怠管理など、バックオフィスの業務をサポートしています。

勘定科目をAIが学習するため、使い続けるほど自動入力と自動仕訳の精度が上がってくるのも大きなメリットです。

  

マネーフォワードクラウド会計の料金プラン

プラン小規模事業者向け スモールビジネス中小企業向け ビジネスIPO準備・中堅〜上場企業向け
料金2,980円/月4,980円/月要問合せ
無料トライアル期間1ヶ月1ヶ月1ヶ月
機能・決算書作成
・部門登録(2部門まで)
・見積・納品・領収・請求書作成
・請求書郵送(180円/通)
・経費精算
・ワークフロー ・支払管理
・人事労務
・電子契約
(スモールビジネスに加えて)
・部門登録(無制限)
・2階層までの部門階層作成
・請求書郵送(170円/通)
・請求書一括郵送
・メール送信
(ビジネスに加えて)
・債権管理
・債務管理
・予実管理
・固定資産
※必要な機能に応じて要見積

「スモールビジネス」は個人事業主やスタートアップ企業、「ビジネス」は従業員50名までの企業、「IPO準備・中堅〜上場企業向け」は従業員51名以上の企業に適したプランとなっています。

「スモールビジネス」では、会計業務に必要な基本機能を利用できます。

まずは「スモールビジネス」で契約して、使用感を確かめながら上位プランへの移行を検討するのもよいでしょう。

マネーフォワードクラウドの注意点は、基本料金に加えて、従量料金とオプション料金が発生する事です。

「クラウド会計」や「クラウド請求書」は4人以上の利用で300円/人、「クラウド勤怠」や「クラウド給与」は6人以上で300円/人など、人数に応じた料金が加算されます。

  

実績と信頼、サポート力を重視する人は「弥生会計 オンライン」(弥生株式会社)

弥生会計オンラインは、会計ソフトの老舗として知られる弥生株式会社が提供するクラウド会計ソフトです。

インストール版の弥生会計を利用していた会社が、クラウド版に移行するケースも増えています。

無料トライアル期間の長さも人気の理由の1つです。

起業から2年以上の企業は1年間、起業から2年以内の企業は2年間の無料トライアル期間となります。

  

弥生会計オンラインの料金プラン

プランセルフプラン     ベーシックプラン
料金26,000円/年(年額)35,200円/年(年額)
無料トライアル期間起業から2年以内の企業…2年間
起業から2年以上の企業…1年間
起業から2年以内の企業…2年間
起業から2年以上の企業…1年間
機能・取引入力
・決算書類の作成・出力
・金融機関・クレジットカードとの連携
・領収書・レシートの自動仕訳
・取引・残高/損益/貸借レポート
・Web FAQ  

※以下は初期サポートとして最大2ヶ月間無料
・操作サポート
・業務相談
・画面共有サポート
(セルフプランに加えて)
・操作サポート
・業務相談(仕訳・経理業務・消費税改正・マイナンバー)
・画面共有サポート
・チャットによる操作サポート

セルフプランとベーシックプランの主な違いは、サポート体制の充実度です。

セルフプランでは、操作・業務相談・画面共有のサポートは、導入後2ヶ月までとなりますが、ベーシックプランでは、その後も継続して受けることができます。

なお、以下の機能は、弥生会計オンラインとは別のサービスを利用する必要があります。

  • 請求書、見積書、納品書作成機能:クラウド請求書ソフトMisoca(ミソカ)
  • 給与明細作成機能:やよいの給与明細オンライン

いずれも弥生会計オンラインと連携が可能です。必要に応じて利用を検討してみましょう。

  

まとめ)クラウド会計ソフト選びは「無料トライアルでまず試す」がポイント

今回紹介した3つのクラウド会計ソフトは、いずれも実績・信頼性の面でおすすめできるサービスです。

無料トライアルを利用して、自社の会計に最適なクラウド会計ソフトを見つけてください。