クラウドPBXとは?システムの仕組みと利用できる電話番号を紹介

今回は、クラウドPBXの仕組みと利用できる電話番号について分かりやすく解説します。

また、利用中の電話番号をそのまま使えるクラウドPBXサービスを4つご紹介しますので、検討する際はぜひお役立てください。

  

1)クラウドPBXとは─クラウドPBXの仕組み

クラウドPBXとは、クラウド上に会社電話の主装置やPBXに相当する機能をおき、インターネットを介して電話を利用できるサービスを指します。

従来、会社電話の設備には、一般的にビジネスホンを利用していました。

ビジネスホンでは、主装置や電話機等の機器は、すべて会社内に設置する必要がありました。

一方クラウドPBXでは、ビジネスホンの主装置に相当する機能をクラウド上におく事により、電話機は社内に限らず、インターネット環境が備わっている場所であれば、どこでも使えるようになります。

  

クラウドPBXは、主装置に相当する機能がクラウドサービスとして月額料金で提供され、主装置の購入が不要となるので、初期費用を抑えた導入が可能となります。

  

クラウドPBXでできること

  • 会社電話を多くの場所で利用できる
  • スマホやPCでも会社電話を利用できる

クラウドPBXでは、前述のとおり、インターネット環境があれば、どこでも会社電話を利用することができます。

またスマホやPCなど、インターネットに接続できる機器であれば、アプリをインストールする事で会社電話の電話機として利用することができます。

働き方が多様化する中で、注目されている会社電話のシステムです。

  

  

クラウドPBXと接続できる電話機の種類

クラウドPBXで利用できる電話機は次の3種類です。

  

置き型電話機(SIP電話機)

インターネットを介して通話ができる置き型電話機を「SIP電話機」といいます。

電話ケーブルではなく、LANケーブルを接続して利用します。

  

スマホ

専用アプリをインストールする事で、スマホもクラウドPBXの電話機として利用することができます。

ただしクラウドPBXごとに、利用可能な機種やOSのバージョンの指定が異なるので、注意が必要となります。

  

パソコン

パソコンもクラウドPBXの電話機として、利用することができます。

専用アプリをパソコンにインストールする方法と、ブラウザ上のアプリを使用する方法があります。

  

2)クラウドPBXで取得・利用できる電話番号は?

クラウドPBXで取得・利用できる電話番号のタイプを分類すると、下表の通りとなります。

  

050のIP電話番号ほぼすべてのクラウドPBXで取得・利用が可能
03・06などの市外局番番号一部のクラウドPBXで取得・利用が可能
0120・0800などの着信課金番号一部のクラウドPBXで取得・利用が可能

クラウドPBXでは、利用できない電話番号があるのはなぜでしょうか。

03、06などの市外局番番号は利用にあたり、地理的識別性の確保が求められています。

※地理的識別性の確保とは、市外局番により、その電話番号を使用している地域を特定する事を指します。「110」や「119」への緊急通報の際に、必要とされています。

クラウドPBXは電話回線を引き込む「主装置(の機能)」の置き場所が、利用者個別の「地理的な住所」を持たないクラウド上のサーバであるため、原則として03、06などの市外局番番号は使用できません。

ではクラウドPBXでは、どのようにすると市外局番番号を利用できるのでしょうか。

方法は2通りあります。

  

<その1>電話回線にクラウドPBXへ転送するゲートウェイを接続する

市外局番番号を持つ社内の電話回線に「ゲートウェイ」という機器を取り付けることで、クラウドPBXでも市外局番番号を利用できるようになります。

会社に着信した電話は、ゲートウェイにより、クラウドPBXへ転送されます。この転送自体はインターネットを介するものなので、別途、通話料金は必要ありません。

ゲートウェイは、クラウドPBXの提供事業者が指定するものになります。事業者によって料金体系が異なりますので、見積りの際に詳細をご確認ください。

  

<その2>電話の交換局とクラウドPBXの間で転送を行う

市外局番番号を持つ電話回線を社内に引き込まず、番号を提供する交換局とクラウドPBXの間で直接転送を行う方法もあります。

この方法は、社内に設置するゲートウェイが不要なため、利用者の負担も少なくなります。

ただしこの方法は地域性確保の問題等で、すべてのクラウドPBXで利用できるものではありません。導入を検討する際は、必ず提供事業者に確認してください。

  

3)利用中の電話番号をそのまま使えるおすすめのクラウドPBXサービス

利用中の電話番号をそのまま使える、おすすめのクラウドPBXを紹介します。それぞれ利用できるエリアや市外局番番号が異なりますので、ご注意ください。

  

03plus 全国主要46都市の市外局番を利用できる、導入実績が豊富なクラウドPBX

  

サービス名03plus
特徴小中規模の企業向けプランが豊富
料金例(税抜)・月額980円/1台
・月額5,980円/5台
・月額10,980円/10台
使用できる市外局番03・011・022・042・0422・0428・04・043・044・045・046・0463・047・0476・048・049・052・0561・0566・0568・06・072・0725・075・078・079・0797・0798・082・092・093
おすすめポイント関東・関西・東海をはじめ、全国主要46都市の市外局番に対応

03plusは、大企業や地方自治体から中小企業や個人事業主まで、導入実績50,000回線を超えるクラウドPBXです。

03や06をはじめ、全国主要46都市の市外局番を利用できる事が大きな特徴です。

  

MOT/TEL 03・06の番号がそのまま使え、月額料金もリーズナブルなクラウドPBX

MOT/TEL

  

サービス名MOT/TEL(モッテル)
特徴1内線ごとのライセンス料が不要で利用可能
料金例(税抜)・スタンダード(20内線):初期費用29,800円〜・月額費用3,980円
・ミドル(50内線):初期費用39,800円〜・月額費用8,500円
・プレミアムA(100内線):初期費用59,800円〜・月額費用15,000円
・プレミアムB(100内線):初期費用89,700円〜・月額費用38,000円
使用できる市外局番03・06ほか(要問い合わせ)
おすすめポイント音質や操作性を確認できる無料デモを利用可能

MOT/TELは20内線を月額料金3,980円から利用できる、リーズナブルなクラウドPBXです。

無料デモを設けており、検討段階で音質や操作性を確認することも可能です。

  

BIZTELビジネスフォン 政令指定都市の市外局番が利用できるクラウドPBX

BIZTELビジネスフォン

  

サービス名BIZTELビジネスフォン
特徴音声認識やCRM連携などのオプション機能が豊富
料金例(税抜)・ライト(40内線):初期費用50,000円・月額費用21,000円
・スタンダード30(80内線):初期費用:300,000円・月額費用80,000円
・スタンダード50(100内線):初期費用:500,000円・月額費用135,000円
使用できる市外局番03・042・045・048・043・052・06・011・022・092など
おすすめポイントクラウドPBXの手軽さと充実した機能を両立

BIZTELビジネスフォンは、政令指定都市の市外局番を利用できるクラウドPBXです。

また、音声認識を活用したリアルタイムのテキスト化や、API連携によるIVR(自動応答)など、豊富なオプション機能も容易しています。クラウドPBXの手軽さと多様な用途を求める企業におすすめです。

  

「スマホを会社電話の電話機として使いたい」「利用中の電話番号をそのまま使いたい場合はクラウドPBX以外の選択肢も

「スマホを会社電話の電話機として使いたい」「利用中の電話番号をその既存のまま使いたい」場合は、クラウドPBXだけでなく、「スマホ内線PBX」も検討することをおすすめします。

関連記事

スマホを会社電話として利用できることを知っているものの、具体的にどうすれば実現できるのか不明のままになっていませんか? 社員のスマホを内線電話として活用できれば、オフィスの内外を問わず連絡を取り合えて利便性が高まるのは間違いないでし[…]

スマホを会社電話として自宅や外出先でも使用するには?知っておきたいスマホ内線PBX

  

どこでもホン 利用中の電話番号がそのまま使えるスマホ内線PBX

  

どこでもホン
どこでもホン

  

サービス名どこでもホン
特徴サブスクモデルのスマホ内線PBXサービス
料金例(税抜)初期費用50,000円~、月額費用7,900円/スマホ10台
使用できる市外局番全国対応
おすすめポイントFAX・受付電話など、既存の電話設備も引き続き利用できる

スマホ内線PBX「どこでもホン」は、スマホを会社電話の電話機として利用できるサービスです。

スマホ内線PBXでは、これまでどおり社内の主装置に電話回線を収容するため、利用中の電話番号をそのまま使うことができます。

スマホ内線PBXサービスに関する詳しい説明は下記よりご覧になれます。

  

まとめ)クラウドPBXを検討する際は、利用できる電話番号に注意

クラウドPBXはメリットが多い一方で、これまでのビジネスホンの利便性が損なわれる事もあります。

導入の検討にあたり、特に利用できる電話番号については、必ず提供事業者に確認を行ってください。

またクラウドPBXごとに、接続できる電話機やスマホの利用方法も異なります。

最適な会社電話の仕組みを見つけるために、この記事をお役立てください。